連載企画「太陽熱を活かす三原則」

 

 「蓄熱」-3   

 

「どうやって蓄熱を稼ごうか・・・」

それでは具体的にどうやって蓄熱量を増やしたらよいのでしょうか。
物が有ればそこには大なり小なり蓄熱機能はあります。
ですから住まいを構成している物全てが蓄熱材であると言えます。
家具も家電品も壁材も天井材も床材もドア材も・・・・・
すべてが蓄熱量を増すことに貢献しています。

しかし、同じ目的の部材であっても、
それを構成している材質と厚さなどによって蓄熱量は大きく変わります。
例えば、テーブルの板で言うと、
合板のフラッシュと無垢材と大理石では各々蓄熱量は違います。
ここに書いてあるのが熱容量の少ない順です。
出来れば、オール大理石かコンクリートのテーブルにすれば
蓄熱量をかなり稼ぐことが出来ます。
でもかなり重くなりますから床構造の強化をしなければ成りません。
そうなんです、
蓄熱量を大きくする為には「重くする」ということが一般的に必要なのです。
ですから、コンクリートで家を作り、外側を
断熱材ですっぽり覆ってしまえば蓄熱量を非常に大きくすることが出来ます。

但し、蓄熱量を無闇に増しただけで快適な住まいが出来るとは限りません。
暖かい熱を溜め込むのも蓄熱だし、冷たい熱を溜め込むのも蓄熱なのです。
夏に暖かい熱を溜め込んでしまっては汗をかいて大変なことに成りますし、
冬に冷たい熱を溜め込んでしまっては中々暖まらず寒くてしょうがありません。
蓄熱量を増やせば増やすほど、
それを夏と冬に有効利用する為の配慮が非常に重要になってきます。
蓄熱量を増やせば増やすほど、夏は日射を室内に絶対入れてはいけません。
絶対です。
熱をかせぐ
もし日射が室内に入れば、当然熱が沢山溜め込まれてしまい、
何時まで経っても暑い不快な部屋になってしまいます。
だからと言って、電気をどんどん使ってクーラーで冷やせばいいや、 という考え方を
するなら初めから蓄熱のことなど考えない従来通りの家を設計すれば良いと思います。
蓄熱を考える事は、基本的には、より電気などのエネルギーを使わずに
自然の仕組みを上手く使おうという考え方で住まいを設計することです。
詰まり、夏は夜の低くなった気温を蓄熱し、
冬は昼間の太陽熱を有効に蓄熱することが目的なのです。
勿論その為には何れの季節も強力な断熱が不可欠です。

それでは、少しでも蓄熱量を増やすのはどうしたら良いでしょうか。
最初の方で、蓄熱量を大きくする為には重くすると書きました。
重くすることは使用量が単に増えるということです。
例えば、壁に貼る石膏ボードを二枚重ねれば、
その部分に関しては二倍の蓄熱量を得ることが出来ます。

蓄熱材として最も優れているのは水です。
だから湯たんぽとして利用されていることを蓄熱第一回で書きました。
しかし、水を住まいの熱容量アップに使うのは一般的にはやられていません。

唯一、イゼナが自社開発したアクアレイヤー床暖房しか有りません。
アクアレイヤーは電気ヒーターやヒートポンプ、ボイラーを
熱源にして 床暖房として開発した物ですが、
熱源と組み合わせずに使えば、床構造内蓄熱層となり、
部屋の蓄熱量を上げることに大いに貢献します。
水の半分しか蓄熱量はなく、その上、5倍も重いモルタルを
根太の間に流し込んでおくという手もあると思います。

そう考えると、モルタルより蓄熱量は落ちますが、
根太間に砂でも砂利でも良いかも知れません。
土壁のつもりで土でも良いと思います。
勿論、その場合は断熱材を大引き間にしっかり入れておかねば成りません。
壁もしっかりした外断熱をするのであれば、
壁の中は土が詰まっていても良いと思います。
大きな蓄熱量が確保できます。
自然のエネルギーの変化を上手く利用して快適な室内空間を作る為に 、
蓄熱量を大きくする工夫は欠かすことはできません。



(次回をお楽しみに)