連載企画「太陽熱を活かす三原則」

 

 「集熱」-1   

 

「集熱について」

前回までは「断熱」の事について書きました。
「断熱」は、熱を逃がさない為に、熱を入れない為に絶対に必要である事を書きました。
太陽熱を利用する場合は特に大切な働きをします。
今回お話しします「集熱」をいくらしても、
「断熱」が悪くてはその熱を有効に使う事は出来ません。
また最後にお話しします「蓄熱」した熱を
出来るだけ長く使えるようにする為にも「断熱」は欠かせません。

私達は生活の中で大きく分けて三種類の熱を必要としています。
一つ目は暖房に使う熱です。
二つ目はお風呂などに使う給湯の熱です。
三つ目は調理の為の熱です。
暖房のための温度は20度ぐらい、お風呂は40度前後です。
調理は煮たり焼いたり蒸したりとかなり高い温度が必要です。
お風呂の湯は、体温より少し高い温度で、熱が有る時の体温ほどです。
暖房用には暖かいとは思えない程の低い温度です。
これらの必要な温度の熱は、電気やガスのエネルギーを買わなくても、
太陽の日射から得る事が出来ます。

とは言っても、目的によってそのやり方が違います。
暖房は広い面積で集めて熱として何処かに溜めて置き、
太陽熱の得られない夜に使えるようにします。
溜めることを考えないで、ただ日射が入っている時だけ部屋が暖かいではダメなんです。
次の朝までの熱が足りません。
また、部屋に入った熱を何処かに溜めないと部屋の温度が上がり過ぎてしまい、
折角入ったのに窓を開けて捨てる事になってしまいます。

給湯用の場合は、得た熱をお湯として溜めて置き、後でその溜めて置いたお湯を直接使います。
調理の場合は、調理器具に日射を出来るだけ集中させて温度を上げて、その場で直接使います。
集熱1
この様に目的は違いますが、太陽の日射から熱を得る事を一般的に「集熱」すると言います。
先ずは暖房の為の「集熱」について考えてみましょう。
現在、日本で暖房の為に使われている「集熱」の形態には三つ有ります。
屋根部で集熱する方法が二つ、もう一つが床部で集熱する方法です。
その中で最も使われている太陽熱利用形態は、特別統計を調べた事はありませんが、
屋根材の直ぐ下で空気を暖め、それを床下に送り、
基礎のコンクリートに蓄熱しながら部屋に吹き出す構造の物だと思います。

OMソーラーとして有名になりました。
現在は「そよ風」という改良されたシステム(環境創機株式会社)があります。
この「集熱」は屋根材その物が行います。
屋根は最も日射を受ける所です。その為、
断熱の悪い屋根裏は地獄の熱さに成る事はご存じの通りです。
その熱を上手く利用して、床下までダクトで送り、
ベタ基礎に溜ながら部屋に吹き出して暖房に使うのです。

もう一つの屋根部での「集熱」方式にはお湯を作る為のパネルを使う方法があります。
このパネルを置く所は屋根でなくても良いので、
厳密に言うと屋根集熱と言いきる事は出来ないかも知れません。
このパネルを一般的には太陽熱集熱温水パネルと言います。
これは文字通りお湯を作り、そのお湯を蓄熱槽との間にぐるぐる回して熱を溜め込みます。
蓄熱槽は外に置いたタンク、床のコンクリート、地下の水槽などが一般的です。

また、アクアレイヤー水蓄熱槽を用いて木床構造内に蓄熱し、
床暖房と兼ねさせる方法もあります。
この方法は、リフォームによりソーラーハウス化する時、
簡便に取り付けられる蓄熱槽として機能させる事が出来ます。

三つ目の「集熱」方式はダイレクトゲイン方式と言います。
部屋の床で「集熱」する方式です。
先ずはコンクリートや煉瓦などの床の下に発泡系の断熱材を入れて蓄熱層とし、
その床で直に「集熱」して、同時に溜め込みます。
但し、この方法は木造住宅の場合、一階の床に限定されてしまいます。
これに対して、アクアレイヤー水蓄熱層は
アルミの「集熱」床材、アルミ伝熱根太と組み合わせて、
一階は勿論、木造の二階にも設置する事が出来ます。

次回をお楽しみに・・・。