連載企画「太陽熱を活かす三原則」

 

 「断熱」-5   

 

「夏も断熱材は必需品」

これまで断熱について書いてきましたが、
断熱は熱を逃がさないから暖かい、ということでした。
断熱は寒さを防ぐための最良の手段と説明してきました。
ダウンジャケットを着ればどんな寒さもへいっちゃらと書きました。
断熱は正に冬の寒さの対策のイメージでした。

でも暖かくするために断熱した家は、当然、夏も過ごします。
夏にダウンジャケット?
もしそうなら暑くてしょうがない!
ダウンジャケットを着るというなら、感じとしても当然そういう事になります。
でも実は、夏に家を断熱することはちょっと違います。
人がダウンジャケットを着たのと違うのは、家は風も通るし、冷房も付けられるからです。
その時、何で断熱が必要なのでしょう。

夏の家を想像してみて下さい。
夏の断熱も、冬と同じで熱を通さない事を考えるのです。
強烈な夏の日差しは、屋根をじりじりと熱します。
夏の屋根を触ると目玉焼きが出来そうな熱さです。
そんな所を素足で歩いたとしたら、それこそ目玉が飛び出すほど熱い思いをします。
そんな強烈な熱は野地板を通り抜け、小屋裏を高温暖房し、
その熱が天井板を熱くし、下の部屋に熱を放出します。
そうなれば暑い暑い家のできあがりです。

壁も同じ事です。
特に太陽が昇り初めてからと、沈み始める頃は、東西の壁にも日射が強烈に当たります。
これも屋根と同じ現象になります。
これらは、夏なのに、家中が強烈な天井と壁の輻射暖房になってしまいす。
これらの熱達を入れないようにするのが断熱材です。
             ダウン
断熱材は冬とは反対に、外から入ってくる熱を防ぐ働きをします。
断熱材をきちんと入れれば天井暖房と壁暖房から解放されることになります。
だから、住まいを一年中快適にするためには、
冬に断熱を考えるように夏の断熱も考えなければなりません。
冬の断熱材と同じように夏の断熱材も絶対に必要なんです。

しかし、そんな断熱性能の良い住まいの中に一旦熱を入れてしまうと、
今度は逃げなくなってしまいます。
強い日差しを窓から絶対に入れてはいけません。
その為、庇を出せば良いと言いますが、
あんまり庇を出し過ぎると冬も日射の入る量が減ってしまいます。
これから太陽熱を出来るだけ取り込んで
エネルギーの自前する住まいにするために、これはマイナスになります。
雨に対しての庇程度でにしておいて、
あとは別の手段で日射を絶対に入れないようにする必要があります。
断熱材がしっかり入っているので、一旦入った熱は中々家から出て行きません。
ですから夏は窓から日射を絶対に入れてはいけないのです。

昔の茅葺き屋根の家には、1メートルぐらいの厚さの茅が葺いてあります。
屋根から日射熱は絶対に入ってきません。
軒が深く直射光も入りませんので薄暗いくらいです。
南側の東西側には横から入る日差しをカットする植栽が配置されています。
おまけにひやっとした土間があり、
そこを風が通り抜けるので至って快適な夏空間になります。
家をすっぽり覆った分厚い茅の断熱材が快適な夏の住まいを提供してくれるのです。

最後に、断熱材をしっかり入れて、窓から日射が入らない住まいは、
少しの消費電力でクーラーも良く効きます。
夏でも断熱材がしっかりしていれば、至って省エネな生活になります。






次回をお楽しみに・・・。