連載企画「太陽熱を活かす三原則」

 

 「断熱」-2   

 

「発泡スチロールはなぜ暖かい??」

発泡スチロールは触ると暖かく感じるが、アルミを触ると冷たい。
厚い発泡スチロールの板に手のひらを付けると、
とても暖かいと感じて不思議に思うことがある。
まるでヒーターが仕込んであって、発熱しているようでもある。
勿論ヒーターなど入っていない。
それに引き替え、アルミの板に手のひらを付けると、非常に冷たく感じる。
まるで冷やされているようにも思える。
よく無垢の床板は暖かいと言われるが、簡単にそうとは言い切れる訳ではない。
堅いチークの床はかなり冷たく感じるが、
柔らかい桐の床材はそれに比べればかなり暖かい。
無垢材だからといって全ての材が暖かく感じる訳ではない。

これらの表面の温度を測ると実は同じなのだ。
例えば、同じ22℃の気温の部屋の中の物は、基本的には皆同じ温度になる。
しかし、直接触ってみると、とても同じ温度であるとは思えないと感じる。
これは触った部分の自分の体温が、その物の特有な熱の伝わり方で奪われるからである。
物には必ず特有な熱の伝わり易さというものがある。

一般的に触って暖かく感じる物は、熱が伝わり難いからだ。

それのさえたる物が前記した発泡スチロールである。
何も触っていない手のひらは、空気に触れているので、
空気に対する熱伝導と輻射により熱を発散させている。
発泡スチロールに触ると、それらの発散が止められ、
同時にその熱が発泡スチロールの中に伝わり難いため、
自分の出した熱を感じてしまうのである。
綿に直接触っても、やはり暖かい。
これも自分の熱を感じているのである。
それに引き替えアルミの板に触ると、
手のひらの熱をアルミがどんどん吸い取ってしまうので、冷たく感じてしまう。   アルミイメージ





←アルミ金属
アルミなどの金属は、金属そのもので
空気のつぶつぶが全くないので、
熱を伝えやすく、熱を通しやすいんだよ。 
 






発泡スチロールイメージ






←発泡スチロール
発泡スチロールは、たくさんの空気のつぶつぶが
熱を伝えにくくしているから、
自分の出した熱は、自分自身で感じるんだよ。


 


この様に材料には色々な熱の伝わり方があるのだ。
触ると非常に暖かく感じる発泡スチロールは
熱を遮断するためにはとても良い断熱材である。
何も、ダウンジャケットの様にフワフワでなくとも「熱を断つ」ことは出来る。
発泡スチロールは非常に軽い。
顕微鏡で見ると小さな気泡がぎっしり詰まった、空気の集合体である。
だから軽いのである。
ダウンジャケットもフワフワ空気の塊であり軽い。
これもつまり熱を遮断するためには細かく分かれた空気部屋が有るからである。

つまり空気のつぶつぶが熱を伝え難くしているのである。
それに比べ、アルミなどの金属には
金属その物だけがぎっしり詰まっているだけで、
つぶつぶの空気に邪魔されないで熱が通ることが出来る。
その為、銅や銀、鉄などの金属類は熱が良く通るのである。

一般的に金属は熱ばかりでなく電気も良く通すので「良導体」ともいう。
それに対し、熱を伝えにくい空気は「不良導体」と言い、
身の回りにある、ゴム・木などがそうある。


次回は「気密と洋服について」です。