建築家の声

 

アトリエ ノット  代表 井上搖子氏

http://www.atelier-knot.jp
 
「しっかり断熱すれば床暖房なんかいらない」と
床暖房屋のくせにこんなことを言うので、
イゼナの前田さんという人は印象的でした。
「水を詰めた袋を床下に敷き込み、その一部に熱を与えるだけで、
後は水の対流を利用して暖房する」というからくりが機械的ではなく、
低コストであることが気に入った。

前田氏の実験住宅へも出掛け、
問題の床暖房が施された部屋を体験したが、
通常の暖房が効いている部屋とは違うことを実感した。
それは春や秋の空調機のことなど思いもよらない、
そのままが気持ちよい季節の空気だった。

前田氏の住宅は氏の住への概念が総まとめになった建築で、
特にエネルギーについては常に研究を重ねている住空間である。
それが生活をアクティブにしているようで、楽しげな日常がかいま見られた。

そこを訪れたことによって私の中にあった少々の不安は勇気に変わり、
採用するにいたった。
結果、冬は申し分なく快適である。
晴れていれば冬の陽射しでも十分に床暖房効果が現われるので、
スイッチを入れる時間は夕暮れからのわずかな時間ですんでいる。
のぼせるほど暑いわけではく、小春日和のような感覚といえる。

ギャラリー井上